ものぐさガーデニングのススメ―失敗続きのガーデナーが最後に開く本
活字を全部読むことのできる数少ないガーデニング書 |
ガーデニング書というと、写真にばかり目がいき、隅々まで活字を読むと
いうことは、まずなく、見ただけで、読んだ気になってしまう本が多い。
しかし、この本は、最初から、最後まで、筆者の人間性から、
じっくり読ませてくれる。しかも、とても哲学的でもあり興味深い。
読書として楽しい時間をいただいたことを感謝したいと思う。
どっちかっていうと |
そんなに世の中にはお庭に困っている人が多いのでしょうか。
がんばらなくていいんだよ、手を抜こうよ、気を楽にね。
ガーデニングの本というよりは哲学書、人生の啓蒙書のようでした。
何事にもがんばりすぎて疲れちゃうという人には何か得るものがあるのかも。
自分のスタイルがある人、やれる範囲をわかっている人、
計画的にガーデニングをすすめられる人には物足りないと思います。
コニファーや芝生の欠陥や、コンテナの使いまわし方法、
丈夫なオススメ草花などは参考になりましたが
素朴なイラストだけだったのでイメージがわきにくかったです。
脱力が大切かも |
ガーデニング、庭づくり、園芸etc. と使う言葉は違うけれど趣味でない私には未知の世界でした。この本を読むまでは「どうやって庭の花や木を管理するか?」といったノウハウにばかり目が向いていましたが、著者の『植物も生きているのだから人間の思いどおりには育たない。』という文章に目からウロコが落ちて、自分のできることから始めようと思いました。なるほど、今まで花や木達を心からよく見てなかったんだな?と実感し、肩のチカラを抜いて気楽に人の目を気にせずに花達を育ててみようと思えました。続けられそうな気がしています。
「気付きの種」 |
今ガーデニングを検討されている方にも、そうでない方にも、お勧めの一品。
ガーデニングを無理せず楽しく行う方法について実践的なアドバイスを伝授してくれるだけでなく・・・実は、私たちがどう生きるか、について洞察溢るるメッセージに溢れています。
ガーデニングの注意点と思って読んでいたら、それは結局のところ、私たちが愛情を持ちスクスク生きて行くための秘訣と、同じ。「大切なことは目に見えない、人に頼ろう、無理しないこと、大きな流れと調和すること(花に逆らわず、花に従わず、花のするように生きる)」等々。
同書は、ガーデニングのみならず人生についても、沢山の「気付きの種」を与えてくれるようです。
「ゆるさ」が大切 |
30,000部を突破し、園芸書としては異例のベストセラーとなった本書は、ガーデニングのハウツー的な記述にとどまらず、「無理してがんばらずに、自然体で」という、生き方に通ずる哲学に魅力を感じます。