ボタニカル・ライフ―植物生活 (新潮文庫)
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園芸界のニューウェーブ |
多くの都市生活者にとって、庭を持つことは夢であり、ましては草花に覆われた庭園なんてのは夢のまた夢だろう。二極化が進行していると言われる現在、そんな叶わぬ思いにため息をつくくらいなら、いっそ価値観の大転換を図るべきかもしれない。
本書が提案するのは、そんな屈折した極私的な価値感を発見し、定義し、育んでいくことだ。それは同好の志を勇気付け、日当たりの良い優雅なガーデンなんかより、植物には厳しいくらいな環境のベランダが欲しい、と覚悟させるに違いない。
著者は悪条件を乗り越えるため、あるときは戦場の司令官、またあるときは弱小チームの野球監督となって、鉢たちと共に奮闘する。逆境を乗り越え、たくましい生命力を謳歌する植物を褒め称え、上手く采配を振るった自らの職人的手腕(あくまでベランダーとしての)に対して悦に入る。日夜植物の調子を見定め、必要とあれば緊急手術室の執刀医のごとく振る舞い(あくまでベランダーとして)、救い切れなかった植物と自らを悔やむ。
北向きベランダの鉢たちは、孤独な都会人にとって癒しの存在などでなく、もはや共に不器用に生きる同志たちなのだ。
なお、著者の視点と語り口は毎回楽しめるのだが、さすがに何年も同じテーマで書き続けられるとマンネリ化が否めない。ニューウェーブの園芸家としてはもう十分花開いたと思うのだが、この植物日誌はあたかも自然の摂理のごとく永遠に反復するのだ。
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アイラブ植物生活! |
ひそかに!?好きだったいとうせいこうさんが植物?という興味でふと買ってみたのですが、すっかり影響されて今では私も立派なベランダー!植物と接する気持ちの距離がとても気持ちよく、私も私も!と育ててみたくなるんです。うちのベランダの主役はアイビーに囲まれてすくすく育ったソテツです。
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不器用なベランダー?植物の愛し方。 |
「ガーデナー」ではない「ベランダー」。せいこう氏と植物との蜜の日々。本能のままに触手を伸ばし、気まぐれに花開き、枯れていく植物たちにおののき、その美しさに憧れる。気になったモノはとりあえず植えてみる、水さえやっときゃ何とかなる?・・・肩の力の抜けた、「いいかげんに愛していく」ベランダー的植物生活に、思わず笑わずにはいられない!
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ペーソスとユーモアと |
ガーデナーならぬベランダーの生態を綴った本。著者本人が大先生と呼ぶカレル・チャペックの『園芸家12ヵ月』をしのぐおもしろさ。花たちを擬人化しすぎるきらいはあるが、そこにそこはかとなく漂う哀愁が涙と笑いを誘う。
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共感できた |
ベランダでの超個人的な「植物生活」はワクワクするような気持ちや期待感,
喜びや,切なさを味わわせてくれます.この感じがとても絶妙な文章で表現
されていて,実際にいとうさんのベランダを,どこかから見ているような
気持ちになりながら一気に読んでしまいました.
経験が増えるに従って色々な技術が増えていったり,突然欲望のままに,
難しいものに手をつけてしまったり,植物の独特な時間感覚を実感したり・・
私も次は何を植えようかなと思わず考えてしまいました.


